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Google、Gemini 2.5 Pro搭載の「Vibe Code」を正式発表――プロンプトからプロダクトへの最短距離へ

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Googleは、AI Studioに新機能「Vibe Code with Gemini」を追加し、バイブコーディングの領域に本格参入したことを発表した。1

同社の最新かつ最も高度なコーディングモデル「Gemini 2.5 Pro」を搭載したこのツールは、自然言語による指示だけで、機能的なアプリケーションを数分で構築できる環境を提供する。


「言葉」がそのまま「製品」になる――Prompt to Productの衝撃

Vibe Code with Geminiの核心にあるのは、「Prompt to Product(プロンプトから製品へ)」という革新的なコンセプトだ。

これまでのアプリ開発では、コードを一行一行書き、バグを修正し、動作確認を繰り返すという時間のかかるプロセスが必要だった。しかしVibe Codeでは、開発者は自分のアイデアを自然な言葉で説明するだけでいい。Gemini 2.5 Proがその意図を理解し、適切なコードを自動生成してアプリケーションを構築してくれる。

Googleの公式説明によれば、「自然言語でアイデアを説明すれば、AIアプリジェネレーターがGemini 2.5 Proを使ってアプリを構築します。これは、迅速なAIプロトタイピングとアプリ構築のための最速の方法です」とのこと。

この仕組みにより、プロトタイピングの速度は従来の手法と比較して最大5に向上すると見られている。コーディングエラーに悩まされることも大幅に減り、開発者はより創造的な部分――つまり「何を作るか」に集中できるようになる。


高度なAI機能が「最初から」組み込まれる驚きの仕組み


Vibe Code with Geminiが単なるコード生成ツールではない理由がここにある。「Build Mode」と呼ばれる機能により、高度なAI機能が自動的に統合されるのだ。


例えば、以下のような機能がプロンプトに応じて自動で組み込まれる:

  • 画像生成・編集機能(Imagen 3やNano Banana)
  • 動画理解機能(動画コンテンツの分析や処理)
  • Google検索グラウンディング(リアルタイムで最新情報を取得・統合)


通常であれば、こうした機能を実装するには複数のAPIを設定し、ライブラリを統合し、それぞれの使い方を学ぶ必要がある。Vibe Code with Geminiは、そのすべてのプロセスを省略し、アイデアの実現までの時間を劇的に短縮する。

作成、改良、公開まで――すべてが数クリックで完結

Vibe Code with Geminiの利便性は、アプリの作成だけにとどまらない。

既存のアプリを「リミックス」して新しいバージョンを作ったり、Google Cloud Runを使って即座にデプロイしたり、共有リンクをワンクリックで生成して他のユーザーと共有したりすることができる。

「ゼロから始めることも、既存のアプリをリミックスして簡単にスタートすることも可能です。Cloud Runでデプロイし、ワンクリックで共有できます」とGoogleは説明している。

この一連の流れは、従来のソフトウェア開発サイクルと比べて圧倒的にシンプルだ。個人開発者やスタートアップ、あるいは企業内の新規事業担当者にとって、大きな武器となるだろう。

実例から学ぶ――アプリギャラリーが示す無限の可能性


Google AI Studioには、Vibe Codeで作成されたアプリケーションを集めた「ギャラリー」も用意されている。実際にどんなものが作れるのか、いくつか例を見てみよう。


「Home Canvas」は、家具の配置をシミュレーションするアプリだ。家具の画像をドラッグするだけで、自分の部屋にどう見えるかを視覚的にテストできる。

Google AI Studio. (2025, October 24). Vibe Code with Gemini. Retrieved from https://aistudio.google.com/vibe-code


「Past Forward」は、アップロードした写真を過去の年代風に変換するポラロイド風アプリ。ノスタルジックな雰囲気を数秒で作り出せる。

Google AI Studio. (2025, October 24). Vibe Code with Gemini. Retrieved from https://aistudio.google.com/vibe-code


これらの実例は、専門的な開発知識がなくても、アイデア次第で実用的なアプリが作れることを証明している。初心者にとっても、自分のアイデアを形にするための具体的なヒントが得られるはずだ。

アプリ開発の「民主化」が現実のものに

Googleによる「Vibe Code with Gemini」の発表は、ソフトウェア開発の世界に大きな変化が起きていることを象徴している。

AIを使ったアプリ開発は、もはや実験的な試みではなく、誰もが使える実用的な手段として確立されつつある。Gemini 2.5 Proという強力なAIモデルを背景に、プログラミング初心者でも高度な機能を持つアプリケーションを作れる時代が到来したのだ。

今後、この流れはさらに加速していくだろう。アイデアを持つすべての人が、技術的な壁に阻まれることなく、自分の考えを形にできる。そんな未来が、すぐそこまで来ている。

一方で、プロのエンジニアにとっても、これは脅威ではなくチャンスだ。定型的なコーディング作業から解放され、より高度なシステム設計、アーキテクチャの最適化、ビジネス戦略の立案といった、創造的で付加価値の高い仕事に注力できる時代が始まろうとしている。

一方で厳しい現実も

今後も精度向上が期待されているが、執筆現在ではまだまだ不具合のない完璧な状態でのアプリケーション構築は難しい状態が続いている。バイブコーディングでの開発では常に AIとの対話が重要であり、適切な指示が重要となっている。

今まではプログラムの技術で仕事を行なってきたプロのエンジニアにも今後はコミュニケーション能力がより一層求められることになるだろう。

  1. Google AI Studio. (2025, October 24). Vibe Code with Gemini. Retrieved from https://aistudio.google.com/vibe-code ↩︎

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